ヴェネツィアの旅 夜景のヴェニス〜帰国
5(5/7)ヴェニス散策最終日
さて、ヴェニス散策が可能な最終日。
カンパルトのカフェでコーヒーを飲み、最終日だけ別で予約したアンニャホテルへ
右奥のノンノが歌っていた。
この街が好きだけどこの街の人も好きだ。
ホテルに着いたら昼過ぎまでダラダラして、日が傾き出してから出発。
今日もまた荒いバスに揺られて向かう。
夕暮れのヴェニスにはこんな名言がある。
「ヴェニスのサンセットを見てから死ね。」
これを見ずに死ねるか という言葉。
夕暮れのヴェニスはたしかにより一層美しい。
建物の間に入る光も柔らかになる。
日中と比べると観光客が減るからか、ここに住まう人達が居住区で遊び始める。
ここを地元とする人たちもいる。
日暮れのサンタ マリア グロリオーザ デイフラーリ。
街だけではなく、史跡もより美しい。
ちなみにイタリアの日照時間は日本人の感覚からいくとかなり長い。
夜の7時くらいまでは日本の昼下がりくらいの明るさだ。
ようやく8時くらいで薄明になり
9時からスイッチでも切ったかの如くいきなり暗くなる。
どんどん暗くなって行く
次々に優しいライトが点いて行く
生演奏のジャズを聴きながら広場を歩く。
夜なのかどうか疑うほどに活気に満ちていた。
まるでお祭りのようだ。
6(6/7)ヴェニスに来たら是非このトラットリアで食べてみて。
さてさて、夕飯の時間だ。
実は最終日の夕飯の場所は日本にいる時から既に決めていた。
トラットリア アッラ・マドンナ
海鮮が特に美味しいと評判のトラットリア。
実は友人にお勧めされたお店でもある。
「アッラ・マドンナ美味しいから行ってみな!」
口コミを信じて行ってみたのだが、少し場所が難しい。
リアルト橋のラストランテ通りを脇道に逸れて少し奥に行ったところ。
一見すると怪しい雰囲気だが中に入ると大変賑わっていた。
店内を撮り忘れたのが悔しい。
外見の怪しさを吹き飛ばす品のある店内。
白いスーツに白いネクタイのカメリエーレ達が上品かつフレンドリーにお世話をしてくれる。
写真にもある通り、全日本語のメニューまである。
しかも席を担当するカメリエーレもまた、その国の言葉をある程度理解出来る人。
僕らの席を担当したカメリエーレは
「ジャパニーズ?」
と質問し、「シー!(そうだよ!)」と答えるとカタコトではあるが少しばかりの日本語で対応してくれた。
これ美味しいよ とか こうやって食べるんだよ とか。
トラットリアと言ってもリストランテ並みのサービスと気遣い。
もちろん味の方も大変美味しかった。
そうそう、説明していなかったけどイタリアの飲食店にはそれぞれの階級がある。
リストランテ(高級レストラン)
トラットリア(大衆向けレストラン)
ホステリア(民間の食堂。カフェに近い)
バール・カフェ(喫茶や飲酒。軽食)
あくまでヴェニスでの話だが、実質リストランテとトラットリアには値段的な差は感じなかった。
むしろ初日に立ち寄ったリストランテの方がカメリエーレが素っ気なく、大して何をするでも無かった為、階級的には下であるはずのアッラ・マリアの方が大変高級に感じた。
どうやらピンキリらしい。
サポーターで同行しているakkaはミラノに3日滞在した経験があるのだが、ミラノでも似たような感じだったそうだ。
ただ、明らかに限られた人しか出入り出来ない様なリストランテも存在している。
ヴェニスにはあまり見当たらなかったけどね。
最後にお店を出る時
「チップチップ!」と無邪気な笑顔でチップを求められたので、担当のカメリエーレに10€渡した。
お互い気持ち良く食事を済ませ、退店する。
チップの文化は日本には馴染みが無いがヨーロッパでは比較的当たり前なのでそのつもりでいた方が良い。
今回の旅ではこのアッラ・マリアのカメリエーレから求められたのが初めてくらいだけど、礼儀として当たり前の文化なのだ。
相場は大体3〜5€。
日本円で400〜700円くらいだろうか。
今回10も渡したのはそれしか少額のお金が無かったから。
数セントの小銭があったけど、それを渡すわけにもいかない…。
何より、彼のお茶目な日本語と品のある対応に感謝したかった。
くちゃっと笑う老年のカメリエーレ。
また次もよろしく頼みたいな。
お腹も満たした事だし、ホテルへ帰ろう。
夜のヴェニスの複雑な道に迷いながら、ヴェニス内のスーパーで軽く買い物を済ませて最後の散策を終わらせた。
「必ず来年も来よう。」
そう誓って帰りのバスに乗る。
感動に浸る間も無く、バスの運転が荒過ぎてレジ袋の中の1.5Lペットボトルが吹っ飛ぶ。笑
ここからはおまけ。
帰国する日にとんでもないトラブルが起きた。
7(7/7)日本に帰れない。
事件は帰国する日、8/12の朝7時に発生した。
朝食のクッキーを食べていると、ニュースに飛行機の墜落事故映像が映し出されている。
見るとそれほど大きな飛行機では無いので民間機なのかもしれないが、何がどうなのかはよくわからない。
ニュースキャスターのイタリア語は聞き取れないくらい流暢かつ早い。
とりあえず早めに空港に行く事にしたのだが、残念ながら少し寝坊していた。
チェックインに間に合うかどうか
急ぎ支度をして、送迎のバスでテッセラ空港へ。
多分ニュースでやっていた事故は本当だったらしい。
テッセラ空港で起きた訳ではないが、少しばかり空港がザワつき、バタついていた。
とりあえず急いでチェックインカウンターへ。
しかし残念。既に締め切り!間に合わなかった!
遅刻気味であったこと、飛行機事故で若干前倒し気味で色々進んでいたこと
これらが組み合わさって僕らは日本への飛行機を無くした!
ここからが長い戦い。
面白い事に僕らはイタリア語ならある程度話せるし理解出来るが英語はてんでダメだ。
空港職員さんとの通じ合えない長い会話が始まった。
どうやらオーストリア航空はその日のチューリッヒ行きの飛行機に僕らを組み替えてくれたらしく、帰国は1日遅れるがチューリッヒを経由してなんとかとりあえず成田へ帰れる事になった。
しかしその説明が何を言ってるのか分からなくて苦戦した…。
「ディス エアプレーン、ゴートゥー チュージ!ネクスト、トゥモロー 何とか何とかホニャララ ゴートゥーナリタ!」
ゴートゥー チュージ?
チュージって何処だ…?
「ワッツ チュージ?」
「スイスエアプレーン、ゴートゥーチュージ!」
スイス…チューなんとか…
ああ!チューリッヒか!
「ディス エアプレーン ゴートゥーチューリッヒ?」
「ノー!チュージ!」
とりあえずチューリッヒという事なのだろう。
頑張って振り替えてくれた職員さんに大感謝。
とりあえずサンキューと言って航空券をもらいテッセラ空港のカフェで一休み。
この後我々は無事に一旦チューリッヒへ。
まさかのスイス滞在となった。
機内から見たレマン湖(多分)
飛び入りでビジホを予約。ラディソンブルホテル。
やたらと派手なビジホだった。
チュージ(笑)はメチャクチャ物価が高かった。
カットサラダが日本円で一つ約580円。
マックで注文したビックマックセット的なやつも日本円で約2500円。
高い!けどその代わりに国民に対するバックが大きい。
社会保障云々が充実しているのだ。良い国。
チューリッヒよ、もう少し観光客に優しくなってくれ…。(値段的に)
ラディソンブルで一泊し、トラブルを乗り越えてようやく成田行きの飛行機へ。
安堵のチョコレート。
空港で買ったジャック・ダニエルチョコ。
スンゴイ美味しかったぞ…。
Amazonでも買えるかな…?
この後はもう、機内で爆睡した。
(最後のジェダイの内容は衝撃的過ぎて興奮したけどね…)
気楽なもので、気付いたら日本だった。
あぁ、また日常に戻るのか。ヴェニスに帰りたいな〜
と考えながらも、ラーメンか焼肉か寿司が食いたい衝動に駆られ、それらがあるのは日本だ!日本万歳!とか、はしゃぎながら帰国。
勿論金欠だからそれらのご馳走に行くのは大分後の話…。
さあて、本当に来年も行くぞ…!!
おわり。
是非見てみてくださいー!